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「コンセプトY」は、 メガネデザイナー、兵井伊佐男が、 友人であるY氏のためにデザインし、 生まれたメガネである。
「コンセプトY」のデザインで追求したことは、従来のメガネのデザインに多い「人からどういう風にみられるのか」というファッション性をフォーカスしていくアプローチではなく、「より顔と一体化していくような掛け心地」にあった。つまり機能性を重視した、人とメガネの理想的な形の追求であり、四角いメガネが丸い顔にあるのではなく、はり出さず、メガネが顔に合わせて一体化するようなフレーム構造のデザインである。
Information
concept「Y」 EYEWEAR COLLECTION
【兵井伊佐男 HYOI ISAO ワンオフ工房 代表】
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意匠デザインのみならず開発のための工房を構え独自にメガネの研究開発を行う。
2004年度より福井県デザインセンターの助成制度を活用し、オリジナルブランド「コンセプトY」の量産に乗り出す。
JIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)正会員。
1956年 福井県生まれ。
1985年 株式会社村井(デザイン室)入社。
1992年 甲府ジュエリーデザインコンペ入選。
1992年 国際刃物デザインコンペ優秀賞。
1994年 フリーデザイナーとして独立。「ワンオフ工房」。
1996年 国際めがねデザインコンペ金賞。
1998年 アイウェアオブザイヤー受賞(I・SA・O)。
2000年 Gマーク受賞(HITT)。
2001年 Gマーク受賞(HITT)>。
2004年 コンセプト「Y」を発表。同年Gマーク受賞。
【製作】
「コンセプトY」を量産するためのロウ付けの治具も兵井伊佐男氏自身が開発したものである。写真は、ロウ付け作業(ガストーチによる)の兵井伊佐男氏。
店頭に並んでいる「コンセプトY」のフレームの鼻幅(左右レンズの間隔)は一定のため、メガネをかける方によって鼻幅を狭くしたり広くしたい場合は、兵井伊佐男氏がメガネ店の注文に合わせて製作し、メッキ工場へ送られる。
オーダー製作の場合は納期が二週間前後かかります。
【作業場】
写真は工房内部。
メガネ開発に必要な機材を揃えて、思い立ったらその場で形にできるデザイン環境をつくり出した。
中央上の黄色いマシーンは、1リットルのガソリンでどこまで走れるかを競うエコランレース用のマシーン。全て兵井氏自身でつくられたそうです。
写真には写ってないが、右側の壁には兵井氏が独学でデザイン製作したギターが飾られています。
そして、気がつくと足元にはかわいいウサギさんがお出迎えしてくれていました。
【工房】
ワンオフ工房は、福井市内にある。20年前に移築された古い小学校の校舎の一階を倉庫として賃貸してるものを改造して使用している。
【兵井伊佐男氏の独り言より】
- 1、小売店研修
- 15年程前、(まだデザイン室勤務の頃)私は小売店研修を受けていました。すでにメガネデザイナーとして数年のキャリアがあったのですが、デザイナーは売り場を知らなくてはならないと言われ、土曜日にメガネ売り場に出勤していました。10時にオープンするのですが9時頃に入口のガラス戸付近に人が立っているので手動で開けてあげました。その方はメガネケースを手にして「おたくで買ったメガネだけど使おうと思ったらレンズが外れていた」といってケースを差し出しました。そのメガネはまだ新しくしかも左右のレンズともテグスが切れていました。申し訳ない気持ちで一杯となり、また接客には慣れてないこともあり、お客様の目の前でテグスを取り替える手が震えました。「どうか今度は切れませんように・・」と願いを込めてお客様の背中を見送りました。興奮した状態で店長に報告すると「ああ、よくあるよ。特にチタンは良く切れるね」とあっさり返されました。この時から「切れないナイロールフレームへの挑戦」が私の中で静かに始まりました。
- 2、50年の歴史
- 1954年にフランスのエッセル社(現エシロール)によりレンズの下半分をナイロンテグスで支えるナイロールフレームが発
表される。1968年に日本ではホヤガラスがエッセル社のナイロールフレームを中心としたメガネフレームを順次発表し、レンズからフレームまで販売する総合メーカーとなる。また、日本では、エッセル社のパテントを避ける為にTリムが開発されるが本格的なブームはエッセル社のパテントが切れてからになる。今ではすっかりメガネのスタンダード商品として定着しているが、わずか50年足らずの歴史でしかないことを忘れてはならない。ツーポイントフレームでさえ200年の歴史がある。したがってアンティーク枠にツーポイントはあっても未だナイロールフレームは存在しない。何十年後にはアンティークコレクションにナイロールフレームが登場するだろうが当時のナイロンテグスはすべて切れているはずである。
- 3、1954年当時
- ナイロールが開発された1954年当時、CR39レンズはまだ開発されていないのですべてガラスレンズのはずです。硬く割れ易いガラスレンズに溝を掘ろうと考えたエッセル社を称えます。レンズの溝加工ツールと加工マニュアルを作ったエッセル社を称えます。リムにクッション材を入れたエッセル社を称えます。ナイロンテグスが切れるというリスクを背負ってまでナイロールフレームを発表したエッセル社を称えます。彼らの発想と勇気が新しいフレームをわずか30年という期間で世界のスタンダードにしました。そして、この20年間さまざまな意匠チェンジを繰り返し現在に至っています。
- 4、常識
- 釣りをする人は少なくともテグスは結べます。また、色々な仕掛けの為の結びも存在します。それらの殆どは何重にも巻きつけその摩擦力で留めています。けっして穴に通して留めません。何故なら簡単に切れるからです。釣りでは釣り糸は結んで留めるのが常識です。結び目は大きく醜いですけど。この結び目は最近開発されたフロロカーボンテグスを使えばかなり目立たなく出来ます。フロロカーボンテグスの末端を熱で溶かすと大変硬い塊になるので一回の巻き付けでも巻き付けの摩擦力と硬い塊の結合力で十分な強度が得られて結び目も小さく出来ます。この結合方法は釣りの本には紹介されていませんから、たぶん私が初めての発見者です。将来釣りの世界でも一般的になるかも知れません。メガネではテグスは穴に通して引っ掛けて留めるのが常識です。切れることも常識です。定期交換も常識です。この常識はメガネ店にとって好都合でもあるので、なかなか改善されません。二つの常識が存在しています。
- 5、本来の強度
- 釣りはしませんがテグスを買うために釣具売り場には良く足を運びます。太めのテグスを買うので「サクラマスでも釣るのですか」と聞かれたこともあります。テグスの引っ張り強度がいったいどれだけあるのかテグスメーカーに問い合わせてみましたが企業秘密といって教えてくれません。大雑把ですが10号のテグスに重りを巻きつけて持ち上げると確実に10kg以上のものを持ち上げる実力を持っています。さらに限界を極めようとすると10kg以上の重りにテグスをどのように巻きつけるかが問題になってきます。たとえば、コンクリートブロックだとブロックの角で切れてしまいます。だから正確に測ろうとすると円柱状の鉄にテグスを何重にも巻きつけて持ち上げなければなりません。持ち上げる手の方にも何重にも巻きつけるのでテグスが手に食い込んで痛いです。つまり、テグスの本来の強度は素手では切れない程強いのです。
- 6、耐久性
- フロロカーボンテグスの耐久性について製造メーカーに問い合わせてみました。以下製造メーカーさんのご返答。
拝啓、
お問い合わせの件、フロロカーボンもプラスチック樹脂である以上、ある程度の経年劣化は避けられません。但しナイロンとの比較では紫外線、温度、湿度等の影響は少ないです。また耐薬品性については、フロロカーボンは圧倒的に強くほとんどの薬品で影響を受けることはありません。それから経年劣化についてですが、これは製造データを持ち合わせておりませんが、5〜10年で例えば2割とか3割とか強力が落ちることはございません。ただし保管状態によって、ある程度(40度以上)であれば、それなりの劣化が予想されます。ちなみに個人的には5年以上前の糸を現実に釣りで使用し、何ら問題が起きておりません。お客様のご質問にきちんとお答えできず、大変申し訳ありませんが、あしからずご了承下さい。
早々
Information
concept「Y」 EYEWEAR COLLECTION
「ワンオフ工房」http://www.concept-y.com/
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