めがねの雅
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column003.htm

めがねの雅
業界コラム
vol.003
【福井県産メガネフレーム】
[2009/9]

 以前にもご紹介しましたが、国内メガネフレーム生産のそのほとんどが福井県で生産されています。ピーク時に比べ生産本数は半分以下になったものの出荷本数はそこまで減少していません。この矛盾は、中国製や韓国製が主流となってしまった経緯があります。価格競争の激化により、福井のフレームメーカー自身が、中国、韓国、マレーシアなど海外へ受注しコストの削減をはかりました。その結果日本のメガネ市場で陳列されているメガネフレームの大半が中国製となったのです。

 日本の場合メガネフレームの部品を組み立てて初めて日本製とフレームに刻印できます。メッキなどの仕上げだけを日本で行ってもそれは海外製と表記しなければなりません。(これは、日本でのルールです。)しかし、海外では仕上げを国内ですれば、自国製と表記できます。だから、日本の技術を使った海外メーカーの高品質メガネは、日本生産にもかかわらず、海外製表記になっていたりします。逆に中国産のヨーロッパ製メガネフレームなども当然あります。

 では、なぜ高品質、過剰品質とまで言われる日本産のメガネフレームは海外では受け入れられないのか、それは、メガネに対する意識の違いが大きい。海外ではおしゃれなメガネの前に、まず、ちゃんと見えること、自分にあっていることが前提で、その上でおしゃれなメガネフレームだったり、機能的なメガネフレームを選択するという感覚がある。メガネフレームのメッキが剥げればメッキしなおせばいい、もしくは、新しくすればいいという考えが多い。日本のように、高品質に慣れているメガネユーザーが安いからといって買って一年もしないでメッキがはげたなどと、言わない人のほうが多いのである。また、気候的にヨーロッパなどに比べて日本は湿気が多く日本での使用ではメッキが劣化しやすい環境でもある。だから、海外では、日本ほどの高品質なメガネフレームが必要なかったりするのが現状のようです。(--;)

 もう一つの大きな違いは、福井県のメーカーにメーカーブランドの概念がほとんどないという現状があります。これは、多くのメーカーが自社製自社ブランドという意識が低いということです。生産の多くは受注生産という形式を福井では取っており、また、メガネの構成部品を下請けの会社などへ分業していたこともある。流通に関しても、卸問屋や、小売店に納入すれば利益になるので、本当の意味でメガネユーザーを見ていない。その証拠に医療機器であるメガネレンズを入れて初めてメガネとして完成するが、その際にどういう調整が必要となるか、メガネレンズの光学的な知識のあるメガネフレームメーカーの人間など今までほとんど会ったことがない。

 日本のメガネブランドとして、確立した9,999(フォーナインズ)などは、自社工場はないが、その規格やデザインには妥協せずよりいいものを日本のメガネユーザーにとこだわり、福井県のメーカー泣かせと言われたほどでもある。が、作っている会社にはその意識があるかはさだかではない。

 デザイナーズブランドメガネフレームとメガネブランドフレームは違うのです。その意識が残念なことに福井のメーカーには乏しい。もう遅いのかもしれないが、一日でも早く、カバンはゼロハリバートン、万年筆はモンブラン、クリスタルはスワロフスキー、時計はロレックスのように、メガネフレームなら○○○○○のようにほとんどの日本人が認知するメガネブランドメーカーが日本から出てくることを祈らずにはいられない。


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