縁があって一人のお坊さんに出会うことができた。お坊さんと親しくなったきっかけは、メガネであった。「こんな、見ることとメガネにこだわるメガネ屋さんがあったのか!」と、言われたが、私は自分のすべき仕事をしただけである。が、結果はこちらが驚くほどに喜んでもらえた。やっててよかったと思える瞬間だった。
このお坊さんと会話をするたびに、考えさせられたり、気づかせられる事が非常に多い。なぜなのか。聞いてみた。すると、「最近ではお坊さんの中でも、『こうあるべき事』『こうすべき事』をできない、しない、考えないお坊さんが多くなった。時代の流れなのか…。しかし、私は死ぬまで坊主なんです。自分の『すべき事』『できる事』をしているんです」と。どの仕事の世界も同じであると気づかされた。
眼鏡小売業界も『すべき事』『できる事』をせずに、価格が安い、おしゃれなフレームという事だけに突出し本来の『こうあるべき事』『こうすべき事』をできない、しない小売店が多い。同じだ…。その結果お客さんは「ダメだった」「ごめんなさい」「二度とあんなところいかない」と言いながら来店される人もよく見受けられるようになった。まるで、浮気が見つかったかのように聞こえる。メガネは見るための道具なのに…。
どうすれば、いいんだろう。問いかけてみた。「あんたは、メガネにこだわるから、他のやっとる様な事はできないし、せんやろう。少し止まると書いて歩くになる。一歩一歩いけばいいんよ。理解してもらうには時間がかかる。急がんこっちゃ。無理せんこっちゃ。ぼちぼち行こう」と。
最近では、お通夜やお葬式にでても、法話を聞かせてくれるお坊さんも少なくなったように感じます。だけれども、やっぱり生きていく者には必要な事だと思います。お坊さんの話をもっとたくさんの人に知ってもらい、それぞれに感じてもらいたい、考えてもらいたい。それで、心に少しでもゆとりができるのであるならば…。いつでも読み返すことができるようにと、半ば強制的に文章をいただきこのページを作成した。
お坊さんも少し照れながら喜んでくれました。不定期に内容も増えていくと思うので、いつでも、どこでも、だれでも読んでください。